皆さん、こんばんは。
管理栄養士の石川元洋(https://lit.link/motohiroFood)です。
皆さんは、分子栄養学・または、オーソモレキュラーという言葉を聞いた事はありますか??
これは、僕が以前、勉強していた分野なんです。
今日はこちらについて、関心がある方に向けて記事を書かせて頂きます。
長いですが、最後までお付き合いください。
まずは、管理栄養士。
数年前に、管理栄養士を2回目の試験で合格。
合格した後は、嬉しさと共に、どんどん虚しさも込み上げてきた。
取ってもあんまり変わらなくね??
変わったのは若干の周囲からの見られ方。
でも、この勉強で気づいた事が1つあった。
自分は案外、「目標に向かって勉強するのが好き」ってこと。
また、違う挑戦をすぐしたくなった。
分子栄養学との出会い
そんな時、見つけたのが分子栄養学。
昔の事だから、ハッキリは覚えてないけど、興味がすごく込み上げて来た。
詳しくはここ。
↑に書いている。
そして何よりも近くに、勉強できそうな所があった。
沖縄にある、新垣形成外科。
ブログは、こちら。
そこで、1年を通して勉強した僕は、すっかり分子栄養学の虜になった。
そして次のステップへ。
オーソモレキュラーの勉強
分子栄養学も、オーソモレキュラーも呼び方は違うけど、どっちも同じ。
そして、日本でもこの分野で有名な先生の所で勉強。
そして勉強した内容をアウトプット出来るよう、twitter・ブログも開始。
やっていくうちに、twitterでの反応も、フォローしてくれる人も増えてきた。
それと同時に批判的な意見も少なからずあった。
Part① たまたま参加した勉強会で、分子栄養学を否定される。
Part② 分子栄養学は、「根拠に乏しい怪しい分野」とtwitterで指摘。
Part③ 分子栄養学やるなら「管理栄養士辞めろ」的なtwitterでのリプ‥。
この時は、そんなに気にしていなかった。
自分がいいと思っていたから。
そして何よりも、分子栄養学に救われてきた人もたくさん見てきた。
この時の気持ちはこんな感じ。
自分に合えばそれでいい
合わなくてもそれでいい
人それぞれ違うんだから
自分の体が良くなってると感じるなら、もっと勉強して試せばいい
問題は”批判すること”
合わなければ、そこで黙っとけばいい
批判するから、ややこしくなる
信じて頑張ってる人もいるんだから、批判が1番良くない
— 石川元洋(管理栄養士) (@motohiro_Food) September 6, 2019
考え方が少しずつ変化していった。
勉強期間(動画配信)が半年位だったので、終わってからは勉強が少しずつ減った。
そこからは、インプット・アウトプットも少なくなり、オーソモレキュラーからは少し離れていた。
そんな時に、twitterでこんな記事を見かけた。
トンデモさんからのDM、オーソモレキュラー療法セミナーのお誘い。
これはまさに、少し前まで勉強していた講座。
完全にdisられているな…って感じ。
ただ、この人が言っている事を、否定は出来なかった。
エビデンスを元に、発信している医師であり、決して反論もできない。
自分がやっていた勉強は間違っていたのかな…。
この頃から少しずつモヤモヤし始めた。
トドメの一撃。
SNSは、勉強になる反面、「やならければ良かったなー」って思うことも多々ある。
見えてくる情報が多すぎる。
そして、見たくない情報も入ってくる。
特にTwitterは。
そんな時に、また見たくない情報が目に入ってきた。
なぜ管理栄養士でも「オーソモレキュラー療法」に傾倒してしまうのか?
またもや、オーソモレキュラーについて、よろしく書かれていない記事。
ある意味慣れっこになりかけていたんだけど、少し引っかかる所があった。
管理栄養士資格を有している方は,栄養学の分野では専門家である自覚を持たなければなりません。なぜなら,管理栄養士は民間の講習を受講しただけで取得できるような資格ではなく,大学や短大などで栄養学に関して専門的に勉強し,なおかつ国家試験を受験して合格しなければ取得できない資格だからです。
本文中より、一部抜粋
自分に言われてる気がした。
モヤモヤはさらに大きくなった。
あくまでも個人の考え
ですので、ご了承ください。
上の文章をもとに考えると、
管理栄養士=国家資格。
食の専門家なんですよね。
国家資格を持っている以上は、間違ったことを教える訳には行きません。
じゃあ、管理栄養士は何を基準にすれば良いのか‥??
それは、日本人の食事摂取基準です。
厚労省が定めており、5年に1度改定されます。
これには、エネルギー・栄養素の欠乏症と予防。
生活習慣病・過剰摂取による健康障害など、さまざまなことが、「科学的根拠」をもとに定められている。
栄養士・管理栄養士は、この「食事摂取基準」をもとに、栄養指導・給食業務をおこなう必要があるんです。
ところが、分子栄養学では、食事摂取基準の範囲を超える量の栄養素を推奨することがあります。
例えば、ビタミンC。
食事摂取基準では、食事からの摂取を基本として、食品以外から1日1g(1000mg)の量を摂取することは推奨できないとしている。
厳密にいえば、1日1g(1000mg)以上取ってはいけないという意味ではないです。
1日に1g(1000mg)以上取っても、「意味がない」と示されています。
でも分子栄養学では、副腎疲労・白血球の遊走性・抗酸化作用・コラーゲン合成など、その他の面からも考えて、
1日に1g(1000mg)~3g(3000mg)・場合によれば5g(5000mg)を数回に分けてサプリメントから服用する事もある。
特に、分子栄養学を勉強された方は、これ位取っている人は多いし、僕も一時期、1日3g(3000mg)程、取っていた。
じゃあ、管理栄養士である僕が、一般の人に1日1000mg以上のビタミンCを進めるのはアリかナシか……。
答えは、ナシだと思います。
ここからは、もっと個人的な考え
ですので注意して進んでください(笑)
あくまでも、僕が悩んで考えたことです。
さっきも言いましたが、管理栄養士である以上、食事摂取基準は無視できません。
食事摂取基準の枠を大きく超えたことを、教えたり、勧めるのはダメです。
ただ、管理栄養士ではない一般の方が、民間の試験を受講したり、勉強して教えるのは、決してNGではないと思います。
実際、医者・NS・薬剤師・PT・OT・歯科の方など、たくさんの方が、分子栄養学で活躍されていて、それはそれでいいと思っています。
分子栄養学・ファスティング・糖質制限・〇〇式ダイエット・特定の食材に偏ったダイエット法など(本当はダメなのもあるけど…)
ハッキリ言って「これら」は、効果が出やすい。
僕自身も、単純に興味があり、ファスティングをしたことがあるので、よくわかります。
それで自分の不調が良くなったから、ほかの人にも教えてあげたい。
それはそれで、良いと思います。(他者を批判したりしなければね…)
でも、管理栄養士が上のようなことを、推奨したり、教えたりするのはNGです。
なぜかと言うと、標準治療の枠を超えているから。
ある一定の効果と、周りからのいい反応も返ってくると思うし、それによって救われる人も確実にいます。
でも、責任持てない・リスクも出る可能性もある・何よりも、年を重ねても、一生やっていけるのか??
糖質制限や、〇〇式ダイエットなど、死ぬまでやれるつもりはありますか??
そう考えると、決して派手ではないけど、死ぬまで無理なくできる「食生活」を管理栄養士が伝えていくべきなんです。
うまくまとまっていませんが、頭の中でグルグルしていることは、
①国家資格である以上、責任のある管理栄養士であること。
②食事摂取基準をもとに行う。
③標準治療の枠を超えない。
④派手ではなく、地味なパフォーマンスを続ける必要あり。
こんな感じです。
僕自身、分子栄養学は、悪い学問だとは全く思っていないし、勉強して良かったと思っている。
そして、実践して救われている人も、たくさんいるのも事実。
ただ管理栄養士である以上は、標準治療を大きく超えたことを教えてはいけない。
ブログの内容は、分子栄養学が多いですが、これはあえて、残しておきたいと思います。
分子栄養学は、アイテムの1つとして持っておく。
使い方に気を付ければ、全然使えると思う。
だけど、今後は「それ」に偏ることはないと思う。
管理栄養士として、できる事を考えていきたい。
分子栄養学を勉強して良かったと思うことは、「血液データの読み取り方」がわかったことです。
これは、知っていれば、自分の健康状態を把握できる1つのアイテムになります。
なので、病気の予防・早期発見にも役に立つはず。
自分の商品を作りたいと考えていて、「商品化したいな」って思っています。
出来上がったら、ぜひ紹介させてくださいね( ^^) _U~~
PPS。
自分の考えを思い直させてくれた、桑満おさむさん(kuwamitsuosamu)とシンノユウキさん(shinno1993)にも感謝致します。
そして、分子栄養学・オーソモレキュラーでご活躍されている皆さんには、ぜひとも頑張って頂きたいです。
こんにちは。カナダでホリスティック栄養士を
している者です。記事を興味深く読ませていただきました。
私の肩書は正確にはCertified Nutritional Practitionerで公認栄養士です。プライベートカレッジのフルタイムプログラムで1年勉強し卒業しました。(私的には1年間死ぬほど勉強しました(笑)日本でいうところの分子栄養学の方です。カナダでは管理栄養士はRegistered Dietitianで4年大学卒業後の国家試験パスでRDになれるんだと思います。RDは日本と同じく活躍の場は主に国市町村で国の定めた推奨栄養摂取量を元に健康相談をします。
州によってホリスティック栄養士が使える肩書単語が制限されており、RDアソシエーションからテリトリーのみならずホリスティック栄養士の信用性批判など激しいけん制を受けます(特にケベック州) 私のいる州の法律はカナダの中で一番分子栄養学に寛容です。
分子栄養学を勉強された管理栄養士さんの一つの視点として興味深く読ませていただきました。シェアありがとうございます。これからのご活躍をお祈りいたします!
Keiko Araiさん。
読んで頂き、ありがとうございます。
勉強しているときは、とても面白く、分子栄養学をもっと広めたいと思っていました。
ですが、ふと立ち止まって、周りの管理栄養士を見ていると「これでいいのか??」と不安になりました。
分子栄養学を勉強されているとのことで、これからも頑張って頂きたいです。
また何処かで繋がれたら嬉しいですね。
今後のご活躍をお祈りいたします。